花さき山

こんにちは。
にじのことりの三井 恵です

昨日は3月3日、桃の節句 ひなまつりでしたね。

私事ですが、3月3日は私の亡き父の誕生日です。
父のことで忘れられないことがあります。

私がまだ二十代の頃のある夜、父が私に「読むぞ!」と言って斎藤隆介 作 「花さき山」を声に出して読み始めました。
始めは、「突然何なの?」と面食らっていた私ですが、
徐々にその話に聞き入っていました。

そして驚かされたのは、途中から父が泣きながら読み続けたのです。
読み終えた後は、何も言わずに自分の部屋に入ってしまいました。
このことは、何年経っても忘れられず、心に残っています。

そして「花さき山」を、私も好きになり、時々読み返しています。

花さき山の花は、ふもとの村のにんげんが、優しいことを ひとつすると ひとつ さく。

自分が小さなやさしさ、思いやりの気持ちで、人や物や生き物や自然に接したら、ちいさな花が咲いていく。
私たちみんながそんな気持ちで、ひとりひとりの花を咲かせたら、花畑ができて、明るく幸せなまちになるかな?なったらいいな。

父から大切なことを伝えてもらったのだなと思います。
ありがとう。これからも見守っていてくださいね。

私が「花さき山」を好きになったのは、父が読み聞かせてくれたからかなと思います。父の思いも伝わってきたから。
みなさんにも好きな絵本や本がありますか?
もしかしたらそれはお父さんやお母さんが読んでくれたものではないですか?

以前、児童文学者の齋藤惇夫さんの講演会で、「自分で本が読めるようになっても、10歳位までは子どもにお父さんやお母さんや先生が読んでやるのが読書」「ノルウェーでは父親が1日15分、子どもに素話をする」「子どもはお父さんを大好きになり、本も好きになる」と話して下さいました。
読み手の声や読み方で、お話が心に入ってくるんですね。

にじのことりでも、これからも子ども達にたくさんの絵本や本を読み聞かせしていきます。